【決算特別委員会第2分科会 −平成18年10月27日−】
○遠藤委員
私の方からは、大きく分けて二点お伺いいたします。
まず最初は、都立高校の教育環境の改善、とりわけ冷房設備の導入についてであります。
平成十七年度の教育庁の決算説明書、一一七ページに施設整備費とございます。この中には盲・ろう・養護学校の環境改善事業があります。この事業は、盲・ろう・養護学校の普通教室に計画的に冷房施設の設置を進める、こういうものですが、十七年度をもちまして、この事業すべて、盲・ろう・養護学校の普通教室に冷房設備の整備が完了した、こういうことでございます。
近年の夏の暑さは、皆様方も本当によく体感するとおり、昔の暑さとは全く質が違うわけであります。また期間も大分長いということで、こうした気象状況等々も踏まえて、私の地元の大田区では、ことしの夏から区内のすべての小中学校の普通教室に冷房が入るということになりました。区部を初め、他の県でも、都市部では次々と小中学校については普通教室の冷房化、着実に進んでおるという現状がございます。
また、一方、高等学校における冷房の普及状況について見ますと、都内の私立高校につきましては、ほぼ一〇〇%に近い状況でありますし、他府県の公立高校においても、都市部を中心にほぼ全国的な動きとなっておりまして、行政の設置以外でも、PTAによる自主設置なども加えて、さまざまな形で普通教室への冷房設備の普及整備が進んでおるわけでございます。
しかしながら、残念ながら、東京都におきましては、都立高校の普通教室の冷房設備の整備につきましては、これまで極めて限定的でございました。航空機騒音や高速道路、または幹線道路沿いにある学校といった、いわば交通量の交通騒音が高いところ、こうしたところでは学校に整備されておりますけれども、それ以外の約三分の二の学校はほとんど冷房がないという中で、まさしく苦学しているというのが現状であります。
昨今、夏場の教育活動を取り巻く環境が大きく変わっている中で、都立高校におきましても、普通教室の冷房化、冷房設置に対する生徒や保護者、そして先生方の要望がますます切実な問題となっております。
先日、教育庁の皆さんにもご協力いただきまして、九月の十五日に、公明党として、公立の中高一貫教育としては四校目となる、ことし四月開校の東京都立桜修館中等教育学校を視察してまいりました。
校長先生初め教員の皆さんとの懇談の中では、現場の声として、例えば、教員、生徒とも、エアコン設置による地球温暖化は十分懸念しているけれども、我慢にも限界があります、こういった声や、こちらは中高一貫ですので、高校生は何とか工夫をしてしのいでいるけれども、小学校から上がったばかりの中学生は、午後になるとエネルギー切れで放心状態だと。笑い話のようですけれども、高校生は午前中はじっと体を動かさないで体力温存していると。しかし中学生は朝から元気いっぱい授業に臨むので、午後になるともう放心状態。年代の体力の問題いろいろありますけれども、こうした声が聞かれました。また保護者からも、子どもの湿疹が夏場はひどくて大変だ、何とかしてもらいたい、こういう声が学校に寄せられているというご報告をいただきました。
実は、この視察の前日の夜に、地元の大田区で都立高校の先生をしている方とも偶然出会いまして、そこで、何とか遠藤さん、何とかクーラーお願いしますよと直訴されたわけでございますけれども、この先生の話によれば、ただでさえ、普通の授業をするのも大変な先生方が、この暑さと過労で入院する先生もいたりして、もう死者が出ても決して不思議ではないんですと真剣に語っておられたのが大変印象的でありました。
我が党は、こうした状況を踏まえて、本年の第一回並びに第二回定例会の中で、高等学校普通教室への冷房施設の早期導入の必要性について提言をいたしておりました。その結果、ことしの四月に、都立高校教育環境改善検討委員会が庁内に発足されて、その検討の資料や議論の様子が詳細に庁のホームページに掲載をされております。
これを見ますと、さまざまな角度から、都教委が本気になって、都立高校の普通教室への冷房化の検討を含めて、教育環境の改善のあり方について、真剣に前向きに検討していただいているんだなということを心強く思う次第でございます。
そこで、まず伺います。この検討委員会について、これは六月の第二回定例会でもさまざまな質疑がありましたが、その後の検討状況について、また進捗状況について、まずお伺いいたします。
〇山川学務部長
都立高校教育環境改善検討委員会は、平成十八年四月二十四日に第一回を開催いたしまして、都立高校の教育環境改善策について、現在までに五回の検討を重ね、多角的、総合的な見地から調査検討を行っている最中でございます。また、七月の委員会では、夏における学校現場での授業中の実態把握も行ったところでございます。
これまでの検討の中で、今では都立高校の教室においても空調が必要な状況となっているとの共通理解と、空調設備に当たっては、あわせて学校全体の中で省エネルギー化を図るとともに、効率的な環境対策にも努めていくことが必要との方向性が示されているところでございます。
〇遠藤委員
総合的な学校の環境対策、もちろん重要であると思いますが、教室の冷房化は最優先すべき課題だろうと思います。
先日、教育庁の方より、来年度の主要事業予算見積もりについてご説明をいただきました。この中で、都立学校への空調設備−−冷房設備でございますけれども、その導入事業が挙げられ、都立高校もその対象となっていますが、その内容について改めて確認をしたいと思います。
〇山川学務部長
教育環境改善対策につきましては、まだ検討委員会で検討中でございますが、教育委員会としては、十九年度の予算要求で、都立高校の普通教室及び食堂の空調設備の整備と、都立高校における省エネルギー化や環境対策について要求しているところでございます。
〇遠藤委員
教育庁の皆さん、また検討委員会の皆さんのご尽力に心から敬意を表したいと思います。
さて、この平成十九年度主要事業予算見積もりの中でも、この空調設備の導入と並行して、都立学校の環境対策事業も挙げられております。とかく冷房設置の計画となると、もう冷房がついて涼しくなったから一丁上がり、終わりと、こういう風潮になりがちですけれども、この検討委員会では、環境問題全般について真正面から取り組んでいくという姿勢が強くうかがわれます。この点についても公明党としても高く評価したいと思います。
特に、都立学校は、都内の全域に点在してその施設数も多く、さまざまな取り組みの可能性があると考えます。
こうした観点に立って、今後、この検討委員会でさらに検討していく課題とその見通しについて伺います。
〇山川学務部長
今後、検討委員会では、これまでの議論の整理を行うとともに、空調設備の導入後の留意点や費用負担のあり方などについても議論をいただき、年度内に報告書としてまとめていきたいというふうに考えております。
東京都教育委員会は、この検討委員会の結果を踏まえ、都立高校の教育環境の整備が着実に進められるよう努めてまいります。
〇遠藤委員
都立高校の普通教室の冷房設置は、学校関係者が長年待ち望んでいたものです。検討委員会で前向きに議論されることによって、生徒や保護者、そして現場で働く教職員の皆さんの夢がようやく実を結ぼうとしているわけでございます。どうか一日も早く実現されますことを改めて要望して、次の質問に入らせていただきます。
本年三月の第一回定例会の一般質問で、私は、不登校対策に関連して、ITを使った自宅学習について質問いたしました。本日も、教育現場におけるITの利用促進に関して若干質問をさせていただきます。
都教育委員会では、平成十四年の十月に策定した都立高校改革推進計画に基づいて、平成十五年度から十七年度までの三カ年、ITを活用した教育推進校として、都立北園高校、府中西高校をそれに指定し、授業革新を行ってきました。
そして、この二校の実践を踏まえて、ITを活用した教育のあり方や今後に必要な環境整備などについて検証して、その成果を他の都立高校に広めて、ITを活用した教育を推進してきたところであります。
さらに平成十七年度からは、都立の砂川高校がこのITを活用した教育推進校に指定をされました。平成十七年度の決算説明書、八七ページにある高等学校費の中の管理費の中で、この都立砂川高校における学習用コンテンツ、このコンテンツはウエブサイト上の学習教材、こう訳すのが適切かと思いますけれども、この学習用コンテンツの開発費として一千二百万円の事業費が計上されております。
砂川高校は、平成十七年四月に、昼夜間定時制課程と通信制課程を併設する単位制高校として開校いたしました。経済社会情勢が著しく変化する中で、生徒みずからの判断で勉強する場所や時間、そして学習内容を自由に選択できることは大変望ましいことと考えますし、通信制課程はその教育を実践できる場であると思っております。
ところで、この砂川高校では、授業や学習を支援するために、生徒一人一人の学習の進捗状況を、コンピューターを使って確認して指導に生かすというe−ラーニングシステムが導入されておりますし、さらに、さきにも述べましたとおり、学習用コンテンツなどの開発などを行って、生徒の学習に対する興味や関心、そして基礎、基本の確実な定着を図っているようでございます。
そこで、まず伺います。この砂川高校で開発された学習用コンテンツの数とその活用状況についてご説明いただきたいと思います。
〇岩佐指導部長
砂川高校では、平成十六、十七年度の二年間に四十五科目、三千百八十二点の学習コンテンツを開発したところでございます。教員が学習コンテンツの動画や音声を用いて、わかりやすく授業を行ったり、生徒が学習コンテンツを用いまして予習あるいは復習をしたりするなどして活用を図っているところでございます。
〇遠藤委員
答弁によりますと、学習用コンテンツ四十五科目、三千百点を超える、このような内容でございます。
事前にいただきました説明によりますと、このコンテンツの開発には、平成十六年、十七年の二カ年で五十一人の砂川高校の先生方が携わったということであります。このコンテンツは、都の教育活動において私は極めて貴重な財産であろうと思います。この砂川高校の定時制や通信制の生徒さんが利用されるのはもちろんではございますけれども、例えば、学習意欲はあるものの、体や心の状態でどうしても通学できない、こうした子どもさんたちや、また経済、社会的な理由で高校入学を断念された方たちで、一定のゆとりができたからぜひ高校の勉強をやりたい、こう考えている方は、年代を問わず都内にも多数いらっしゃるかと思います。
他の都立高校への展開はもちろんではございますけれども、将来的にはこうした方々へも広くこのコンテンツを開放して、単位認定をしていくとか、または生涯学習にも応用していくとかということがあってしかるべきだと思います。
そこで、まず手始めに、砂川高校の先生方が本当に苦心されてつくられた学習用コンテンツを、都内すべての高校生が活用できるようにすべきだと思います。いかがでしょうか。
〇岩佐指導部長
都教育委員会は、砂川高校が作成いたしました学習コンテンツを全都の高校生が活用することができるように、環境の構築に努めてまいりたいと思います。
〇遠藤委員
明快な答弁ありがとうございます。
実施に向けては、コンテンツ内容の精査ですとか、またはシステムの整備、またはネットワークの確立など、運用面での課題もたくさんあろうかと思います。ぜひとも、教育庁の英知を結集して、総力を挙げてしていただきたいと思います。
ちょうど、公会計のシステムが、我が党の議員の提案によりいよいよ始まりました。知事は、このシステム、大変いいものなんで、東京都にとどめないで、欲しいところには全部このノウハウを提供すべきだと、このようにおっしゃられておりました。
ぜひとも、この学習用コンテンツにつきましても、東京発、できれば全国いろんなところで活用していただけるような内容にするためにも、教育庁の皆さんの英知を改めて結集していただきたいことをお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。
【決算特別委員会第2分科会 −平成18年10月25日−】
〇遠藤委員
各委員の皆さんからさまざまな視点で質問が出ましたので、私の方からは、子育て世代の代表というか、一員として、やや目線を変えて質問させていただきたいと思います。
平成十七年度決算のうち、文化や芸術を通じた子どもたちの感性を磨く体験型の事業、こうしたものを東京都として、生活文化局として行っております。この点について何点かお伺いいたします。
まず、生活文化局では、平成十六年、そして昨年十七年と、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業を行っております。これは十六年の新規事業ということで、二年間たったわけでございますが、この二年間、それぞれの事業の状況並びに事業費はどうなっているか、まず基本的なことからお伺いいたします。
〇杉谷文化振興部長
子どもたちが体験を通じて芸術文化に親しむことを目的としております子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業は、学校や児童館などにプロの芸術家が出向きまして、子どもたちとの共演、体験、創作型のワークショップ、吹奏楽などの実技指導などを行うアウトリーチプログラムを実施するとともに、その成果の発表会や鑑賞会を都立文化施設で実施するものでございます。
平成十六年度は、江戸東京博物館におきまして児童演劇中心のプログラムを、また、東京芸術劇場におきましてはクラシック音楽及び能楽中心のプログラムをそれぞれ実施いたしました。参加人数は、発表会、鑑賞会が五千二百九人、アウトリーチプログラムが六十六回、三千六百八十六人でございました。また、事業費は約三千百万円でございます。
平成十七年度は、十六年度と同様のプログラムを実施いたしまして、発表会、鑑賞会などが四千五百六十四人、アウトリーチプログラムが八十回、四千三百四十八人でございました。また、事業費は約二千九百万円でございます。
〇遠藤委員
今、答弁いただいたとおり、参加者も十六年から十七年、拡大しているということで、事業は長い目で見ないといけませんけれども、当初の目的どおり進んでいるのではないかと思います。
ところで、この二年間でこの事業、どのような成果が生まれたか。そして、その反面、今後の課題、どのようなものが浮き彫りになったか、お伺いしたいと思います。
〇杉谷文化振興部長
まず、成果でございますが、参加者からのアンケートをとったんでございますけれども、そのアンケートによりますと、六歳の娘が金管楽器を吹くことができ感動しましたという結果ですとか、能楽から古典や歴史に興味を抱くようになったと、そういうふうな声が多く寄せられておりますし、子どもたちが芸術家と直接触れ合うことにより、芸術に対する理解が深まり、より親しみを感じたものと考えております。
十七年度では、十六年度と比較して参加総人数がふえまして、特にアウトリーチにつきましては、回数で十四回、参加人数で六百六十二人上回っておりまして、より多くの子どもたちに芸術家と触れ合う機会を提供できたものと考えております。
しかし、この事業をさらに充実させていくに当たっては、子どもたちに身近な学校や地域コミュニティを持つ基礎的自治体であります区市町村への周知に取り組んでいく必要があると考えております。そのため、今後とも都と区市町村との連絡会など機会あるごとに周知を図るとともに、区市町村の文化事業の担当者を会場に招待するなどして、子どもたちの身近な場所でかような取り組みが実施されるよう働きかけてまいります。
〇遠藤委員
今の答弁にありましたとおり、市区町村との連携、とりわけ市区町村の担当者としっかりコミュニケーションをとって意思の疎通、または周知を図る、これが決め手だという答弁だと思います。
いうまでもなく、文化と教育というのは濃厚密接な関係があって、そういう観点からいえば、この文化担当者のみならず、教育委員会との連携も大変重要な視点ではないかと思います。
私もこの質問をする中で事前に資料をちょうだいいたしましたけれども、本当に東京都内多くの会場で、また、多くの小学校、幼稚園、中学校、高校が参加していますけれども、参加している学校にやや偏りがあるという側面も否めないと思います。参加している者は本当にいい取り組みだということで、来年もまた再来年も参加しようと。全く参加していないところは、こういった事業があることも多分知らないという学校や、また市区町村も多いかと思います。ぜひともこの周知、広報活動をしっかり力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
その上で、今お話しいただいたとおり、事業の特徴的な内容であるアウトリーチ活動、すなわち芸術家による地域の訪問ですね、こうした活動の回数や、また参加者が十六年度と比べて十七年度は大きく拡大する、充実してきているという点でありますけれども、このように参加者が多くなるというのは、関心のあらわれであるということで大変結構なことだと思います。
大変卑近な例で、また、私ごとで恐縮なんですけれども、おとといですか、家に帰りましたら、私の小学校二年になる息子が、ふだん起きていない時間、私が帰ってきたとき、お父さん、お父さん、きょうは僕は学校でパンづくりをやったんだということで、一日かけて小麦から何から、焼くところまで学校の授業の中で行って、つくった物を家に持って帰ってきて、ぜひお父さん食べてくれということですね。女房に聞いてみると、このパンづくりの授業の一週間ぐらい前から、息子はこの話しかしないということで、大人の視点からとると、パンづくりは小さな取り組みのようなんですけれども、子どもにとっては本当に思い出があり、また、将来につながるようなこうした活動だと思うんですね。
ちょっと次元は異なりますけれども、こうして今いい事業を行っていますので、芸術のジャンルは、クラシックや、または演劇、能だけではありません。今後、ぜひとも子どもたちがさまざまなジャンルの芸術家と触れ合うように、多くの地域で実施できるという面を拡大する一方、指導者の確保は大変難しい部分、ご苦労される部分もあるかと思いますけれども、例えば日舞だとか歌舞伎だとか文楽だとか、こうしたジャンルもあわせて拡大していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
〇杉谷文化振興部長
まず、実施場所でございますけれども、十八年度は児童演劇中心のプログラムの発表会等を、江戸東京博物館のみではなく、区部及び多摩地域での文化施設でも実施する予定でございます。
それから、ジャンルの拡大でございますけれども、例えばクラシック音楽中心のプログラムの中に落語などのワークショップをあわせて実施するなど、さまざまなジャンルの芸術家と子どもたちが触れ合うことができるよう努めております。
今後とも、多様な関心を持つ子どもたちがさまざまなジャンルの芸術家と出会うことができるよう、ご質問の趣旨を踏まえまして、検討してまいります。
〇遠藤委員
国におきましては、いみじくも平成十三年十二月におくればせながら芸術文化振興基本法という形で制定をして、国民全体としてこの文化芸術を日本の政策の柱の一つに掲げていこう、取り組んでいこう、こういった大きな動きがあります。
東京都はこれに先んじた形でリーダー役となって、これまで進めてこられたかと思いますが、東京オリンピックの招致に関連しても、その理念の中に、人と人を結びつける文化の力、また重要性というものをうたい上げております。平成十九年度の局予算の見積もりで今まで話した事業をどのような形で見積もっておられるか、つまびらかに承知しておりませんけれども、大変重要な取り組みでございますので、今後ますます頑張っていただきたいことを要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
【決算特別委員会第2分科会 −平成18年10月18日−】
〇遠藤委員
私の方からは、平成十七年版の局の事業概要に基づいて、終末期医療について何点かお伺いしたいと思います。
この事業概要の中で、終末期医療、すなわちターミナルケアの支援の目的について、このように書かれております。「治癒を目的とした医療が有効でなくなった、がん等の末期患者とその家族を対象に身体的、精神的、社会的側面などからサポートして、人生の残された時間を人間として充実した生活が送れるようにターミナル・ケアの充実に努めている。」と、こうした目的をうたって、その後に事業内容として三点ほど書かれております。本日は、この中でも特に人材育成の観点からお伺いしたいと思います。
厚生労働省は、去る九月十五日、終末期における診療の開始や変更、また中止等を国を挙げて議論するために、終末期医療に関するガイドライン、たたき台でございますけれども、これを公表いたしました。厚生省に直接連絡して中身をいろいろ確認したところ、年内にも有識者による検討会を立ち上げて、来春をめどに何らかの一定の結論を出すと、このようにいっておりました。終末期医療に対する社会的コンセンサスが得られるように、国民的な議論を喚起するという課題は、これから亡くなる方も、人口構成から非常に多くなってくるということで、ますます重要になってくるかと思います。
ところで、平成十六年の七月になりますけれども、国は、一般国民や医師、看護師など医療従事者に対して意識調査を行いました。この中では、とりわけこの終末期医療に関する医療従事者の研修ですとか教育、この重要性を指摘されております。がん治療に携わりながら、終末期医療をきちんと理解している医者が少ない、こうした指摘もある中で、終末期医療の知識や技術を備えた医療従事者の人材の育成が急務と考えます。
そこで、まず第一点目にお伺いしますが、今触れたとおり、平成十七年の局の事業概要の七七ページに、東京都において、ターミナルケアに携わる人材の育成のために講習会を行ったり、また派遣研修を実施している、こういう事業があるようですが、十七年度のこの事業の概要または実績はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
〇細川医療政策部長
人材育成研修の件でございますが、平成六年度から、病院や診療所の医師や看護師を対象としたターミナルケア従事者研修、また在宅ターミナルケア従事者研修を実施しております。平成十七年度においては、半日の座学講座を研修いたしまして、それぞれ百五十二名、また百四十二名が参加しているところでございます。
そのほかに、ターミナルケアの専門病棟である緩和ケア病棟というのがございますが、そちらにおいて、一カ月間、医師や看護師の実務研修を行う緩和ケア派遣研修を実施しておりまして、平成十七年度は、医師一名、看護師二名が参加しているところでございます。さらに、平成八年度からボランティア育成研修というものも開始いたしまして、昨年度は、生と死を考えるというようなテーマのもとに、二百十名参加しているところでございます。
〇遠藤委員
今答弁がありましたとおり、この事業は大きく二つに分かれていて、いわゆる講座と現場研修、こうなっているようですけれども、この講習会についても半日の座学ということで、話にあったとおり、生と死を考えるというようなテーマや、また、一般病院でもできる緩和ケア、疼痛緩和とスピリチュアルケア、こうしたどちらかというと哲学的なこととかも含めて座学での公開講座を行っている。その一方で、実際の現場体験として、緩和病棟で体験学習をするというようなものが片やある。片や座学、片や本当に現場でぎりぎりの非常に専門的、また実践的な研修を行っているということで、例えば両者の間に中間的な、その間を埋めるような研修をする、そしてまた、医療従事者のレベルアップ等を促す工夫が必要ではないかと思いますが、見解を伺います。
〇細川医療政策部長
委員おっしゃいますように、今後の終末期医療の充実を図っていく上では、医療従事者の人材育成が非常に重要だと考えております。特に、将来、がんの終末期ケアを実践する上で中核となるべき人材については、疼痛の管理、痛み以外の症状マネジメント、精神的ケアの三分野について、十分な知識、技術の習得をしていただきたいというふうに考えております。このため、これら三分野を中心としまして、現在、地域がん診療連携拠点病院となっております癌研究会有明病院と武蔵野赤十字病院において、座学中心のこれまでのような研修よりさらにステップアップした実践的な研修を、ことしの十二月以降順次実施する予定にしております。
〇遠藤委員
ありがとうございます。この中間的な研修、現場研修をことし十二月から二つの病院で新規に行う、こういう答弁だと思います。
ところで、読売新聞にことしの夏、「延命 最期の選択」という連載がございました。この連載は、明確なルールがない中、延命治療をめぐり揺れている医療現場の深刻な実情、とりわけ患者や、また家族の苦悩を詳細に報じて、読者から多数の反響が寄せられました。私も大変関心を持って読みました。人工呼吸器の取り外しなど、延命治療を講ずるのか、または講じないのか。どこまで行い、どこでやめるのか。終末期を迎えた患者や、また家族の生命の行方、または尊厳を左右する、極めてデリケート、難しい問題であります。
東京は、病院で亡くなる方がもちろん全国一でございます。平成十三年二月に「都立病院における末期医療の在り方について」という報告書が取りまとめられているものの、現状では、その対応は各病院に個別にゆだねられているというのが都立病院における実態のようでございます。
冒頭でも申し上げたとおり、国は、公表した終末期医療に関するガイドラインに基づいて、年内中に有識者の検討会を立ち上げて、来春をめどに結論を出す、こうした国の大きな流れがあります。
そこで最後になりますが、都としても、こうした国の議論に積極的に参加していくことができるように、関係者との議論の場を設けるべきと考えますが、所見をお伺いします。
〇細川医療政策部長
終末期医療のあり方、とりわけ延命措置や尊厳死に関しては、個人の価値観の相違等により大きく見解が分かれ、社会的コンセンサスを得るのが極めて難しい問題であり、慎重な議論が必要であると考えます。東京都としましても、国の有識者による検討会の推移を見ながら、東京都医師会を初めとした関係者のご意見も伺い、必要とされる意見を国に伝えていきたいというふうに思います。
〇遠藤委員
部長から、国に対して必要な意見を伝えていくと、こういう明確な答弁がありました。ぜひ東京都、またその関係者の意見をどしどし国の方にぶつけていっていただきたいと思います。
病院では、人の死というものは日常の風景の一つにすぎないという指摘もあります。いわばワン・オブ・ゼムでございますけれども、私も実はこの八月に父を亡くしまして、家族にとって、この身内の死というものはオンリーワン、たった一つ、たった一回であるわけでございますので、こうした国民的な議論の機運が高まっておりますので、ぜひとも東京発の、この終末期医療に対する考え方を発信していただきたいことを重ねて要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
〇鈴木事務局長
荏原病院の院内の売店でございます。私も荏原にはよく行きますが、やはり40平米ぐらいの面積で狭く、営業時間も短いというふうには聞いています。
それと、また病院周辺には、あそこの住宅地はなかなか商店街等もございませんので、これは以前から病院へ来る患者さんとか、病院のスタッフの方から不便だということは聞いておりました。それで現在、荏原病院では基本的に患者さんのアメニティーの向上を図るということで、公社化を機会に、院内にコンビニをつくっていく方向で具体的に検討しています。また、その際には今、ご指摘のような売り場面積や営業時間の拡大というようなこともぜひ考えていくように、私の方からも荏原病院の方にはお話をさせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。